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そんな弟があっさり死んだ。
長患いでもなく、
入院したと思ったらあっという間に
危篤になって…。
で、通夜の夜、
おじいさんは泣きはらした目で来てくれた。
うちの地域では、通夜は夜通しやるけど
ずっといていいのは親族だけというルールが
あるんだけど、おじいさんは、私に
「あさまで、弟くんのそばに
いてもいいですか」と書いた紙を見せ、
土下座せんばかりに頼んできた。
私が頷き、ありがとうと頭を下げて
「明日の告別式にも出てあげてほしい」
と書くと、おじいさんは
「ぼくが よめるかんじ、かけるかんじ、
弟くんの なまえだけです。
いちねんせいのとき、
おしえてくれました」と…。
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そこで遠縁のおばさんが
「まー○○さん!帰らなきゃいかんよ、
お通夜は親戚でやるもんや!」
としゃしゃり出てきた。
おじいさんは泣きながらお願いします
と言うように頭を下げ続けてた。
おじいさんに聞こえないのをいいことに、
ずっと汚い言葉で帰れと責めるおばさん。
でも、弟の
「○○さんは、耳は聞こえないけど、
相手がどんなこと言ってるかは
大体わかるんだよ」
という言葉を思い出して、私も泣きながら
「○○さんには参加していただきます。
両親にそう言います、弟だって
喜んでくれるはずですから!」と言った。
おばさんは「あのね、お通夜っていうのはね」
と言い出したから、
「お通夜の形式も大事ですが、
何より気持ちでしょうが!」と怒鳴りつけ、
おばさんと言い争って見かねた祖母に
止められたのが修羅場。