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それから三ヶ月くらいが経ったある日、
相手からの返事が来た。
封筒の中には
次の手が書いてある紙だけで、
「遅れてすまない」といったことは
一文も書かれていなかった。
じいちゃんは「相変わらずだな!」
と笑っていた。
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しかし、郵便将棋が再開してから、
なんとたったの半年で
じいちゃんは勝ってしまった。
相手の人が、なんだか
弱くなった気がすると、
じいちゃんもアッサリ勝てたことが
納得いかないのか、不思議がっていた。
それから1ヶ月が経ったある日、
その相手から一通の手紙がきた。
その内容は
「○○さんゴメンなさい、
実は僕は○○じいちゃんの孫で、
○○と言います。
○○じいちゃんは去年、
心臓病で亡くなりました。
そのとき、ずっと何度も
郵便将棋の決着が気になる、
もっと生きたいと言っていて、
半年くらい将棋を勉強して、僕が
かわりに続きをやっていたんです。
弱くてゴメンなさい……」
といったものだった。