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やがてブレザーを払いのけようと
友人の手が動いたが、お兄さんはそれを抑え
「動くな。気づいたか?
(ブレザーをちょっとめくって)
見えるか?この指何本だ?」
「名前は?年齢は?
今何が起こったのかどこまで分かる?」
と淡々と質問を続け、友人もそれに
訥々とではあるが答えていた。
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「よし、大丈夫だ。
頭は血が多いからちょっと切っても
大量に血が出る。心配するな。
つらいなら目を瞑っててもいいし
もう喋らなくていい。
だが、きつくない程度でいいから、
俺の手を握り返してろ。
無理しない程度でだぞ」
お兄さんはいつの間にか
友人の手を握っていた。
一つ違いのお兄さんが
すごく大人に見えた。