Sponsored Links
「無力な婆を許して」
「おまえと一緒にわたしも死にたい」
別れが辛くて犬を抱えておばあさんが
途方にくれていたところに、
むかしさんざんいじめた
二男嫁がやってきたそうだ。
Sponsored Links
「犬の引取先をさがしてきました」と二男嫁。
「いろいろありましたから、
お義母さんのためになにかしてあげよう
とは思っていません。
つきあいもするつもりはありませんから、
今後も何も期待してもらってはこまります。
でも、犬には罪はありません。
大事な命ですから」
気の強いおばあさんは、
おいおいと泣きくずれた。
そして二男嫁に心の底からのお礼を言い、
非礼を詫びるために頭を深々と下げた。
「ありがとう。
もうなにも思い残すことはない」
おばあさんは、晴れ晴れとした顔で
施設にうつっていった。